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「神戸山口組」組長宅放火 鈴木正二被告に懲役10年求刑 「暴力団特有の論理に基づく犯行」

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 神戸地裁で19日、今年1月に兵庫県神戸市北区の特定抗争指定暴力団神戸山口組井上邦雄組長宅に拳銃を持って侵入し、車に放火したとして建造物等以外放火と銃刀法違反(加重所持、実包所持)などの罪に問われた、無職・鈴木正二被告(75)=静岡県浜松市中央区萩丘=の論告求刑公判が開かれた。

神戸地方裁判所

神戸地方裁判所

 検察側は論告で、かつて対立関係にあった暴力団の組長を殺害しようとした「暴力団特有の反社会的論理に基づく」犯行だと指摘。車への放火はガソリンに引火して爆発する恐れがあり、多数の生命に脅威を及ぼすものだったとし、鈴木被告に懲役10年と拳銃1丁などの没収を求刑した。

 一方、弁護側は鈴木被告が井上組長宅に侵入し車に火をつけたことは認めた上で、現場で試し撃ちに失敗したことなどから、所持していたとされる拳銃は使用不能で「銃刀法違反の事実はない」と一部無罪を主張し、執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は11月14日に言い渡される予定。

 鈴木被告は今年1月19日午後6時半ごろ、回転弾倉式の拳銃1丁と銃弾を所持して神戸市北区鈴蘭台東町9の井上組長宅の外壁をよじ登って敷地内に侵入し、ガソリンをまいて火を付け、駐車場の車2台を燃やしたとされる。

 これまでの裁判で、井上組長宅に向かった目的を問われた鈴木被告は、「(井上組長に)引退するよう迫るためだったが会えなかった」と説明。また、「引退を断られたらどうしたか」との質問には、「殺します」と述べていた。

 鈴木被告はかつて、特定抗争指定暴力団・六代目山口組國領屋一家傘下「霊岸島桝屋服部会」の八代目会長だったが、すでに脱退している。

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