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神戸地裁で16日、今年1月に特定抗争指定暴力団・神戸山口組の井上邦雄組長宅に拳銃を持って侵入し、車に放火したとして建造物等以外放火と銃刀法違反(加重所持、実包所持)などの罪に問われた、無職・鈴木正二被告(75)=静岡県浜松市中央区萩丘=の公判が開かれた。
神戸地方裁判所
鈴木被告は今年1月19日、回転弾倉式の拳銃1丁と銃弾2発を所持して井上組長宅の外壁をよじ登って敷地内に侵入。ガソリンをまいて火を付け、駐車場の車2台を燃やしたとされる。
被告人質問で、井上組長宅に向かった目的を問われた鈴木被告は、「(井上組長に)引退するよう迫るためだったが会えなかった」と説明した。また、「引退を断られたらどうしたか」との質問には、「殺します」と述べた。
鈴木被告はかつて、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系國領屋一家傘下「霊岸島桝屋服部会」の八代目会長だったが、すでに脱退済みだと説明した上で、今回の事件は「自身の判断で行った」と述べた。
6月6日の初公判では、鈴木被告は「延焼の恐れがなかった」などとして建造物等以外放火罪の成立を争う姿勢を示していたが、16日の公判では一転して危険を認識していたと主張を変えた。