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警視庁は3日、国内最大規模といわれるスカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を漏洩したとして、警視庁暴力団対策課の警部補・神保大輔容疑者(43)が逮捕された事件で、神保容疑者が他にも捜査カメラの設置リストを漏らしたとして地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで再逮捕した。

警視庁本部
神保容疑者は今年7月下旬、ナチュラルが独自開発した特殊アプリを使用して、捜査対象者の名前や肩書き、捜査のために設置したおよそ20か所のカメラの場所が記載されたリストを, ナチュラル関係者に漏洩した疑いが持たれている。
神保容疑者は今年4月と5月に、ナチュラル関係者に、関係先に設置した捜査用カメラの画像数枚を漏洩したとして、11月に地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで警視庁に逮捕されていた。
警視庁が今年8月、神保容疑者の自宅を捜索した際には現金900万円が押収されていて、神保容疑者が捜査情報の見返りとしてナチュラル側から受け取った可能性もあるとみている。
神保容疑者は、2023年から今年3月までの間、ナチュラルが関与する事件の捜査に携わり、組織犯罪の捜査を14年間担当していたが、今年4月にナチュラルの担当から外れた後も捜査情報へのアクセス権は持ったままで、職場のパソコンを使用して関係資料を入手していた。
ナチュラルは、女性をスカウトし違法に風俗店に斡旋した上で、女性の売り上げに応じて風俗店から支払われる「スカウトバック」と呼ばれる報酬を得ていた「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の1つで、およそ1500人が所属する国内最大規模といわれるスカウトグループ。
ナチュラルの収益は、2022年だけで年間およそ44億5000万円の上るとみられ、警視庁はスカウトバックの一部が暴力団などに流れているとみて数年前から摘発を強化し、グループ幹部を次々と逮捕するなど、グループ壊滅を目指して摘発を進めていた。