スカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を漏洩 捜査担当者だった警視庁警部補を逮捕

　警視庁は１２日、国内最大規模といわれるスカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を漏洩したとして、警視庁暴力団対策課の警部補・神保大輔容疑者（４３）を地方公務員法（守秘義務）違反の疑いで逮捕した。神保容疑者はナチュラルに対する捜査チームの一員だった。

警視庁本部

　神保容疑者は今年４月～５月、警視庁が捜査対象のメンバーの動向把握のためナチュラルの関係先に設置した捜査用カメラの画角などが分かる画像を、スマートフォンのアプリを通じて２回にわたりナチュラルのメンバー提供し、捜査情報を漏洩した疑いが持たれている。

　ナチュラルは、女性を風俗店に違法に斡旋するなどしている「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」の１つで、、独自開発したアプリを通じてメンバーが逮捕された際の対処法や警察の情報などを共有していて、神保容疑者は自身のスマートフォンに入れたナチュラルのアプリに画像を載せていた。

　ナチュラルの繁華街でのスカウト行為に絡んだ暴力団との間での「みかじめ料」授受の事件で、神保容疑者はナチュラルが関与する事件の捜査担当者だった。今年４月に担当を外れていたが、何らかの方法で画像を入手したとみられる。

　警視庁は捜査情報が漏れている疑いがあるとして今年８月頃から神保容疑者への捜査を進めていて、関係先からは現金数百万円を押収している。神保容疑者が情報漏洩の見返りに金品を受け取った可能性もあるとみて調べを進めている。