北海道警札幌中央署は、無登録で貸金業を営み、法定金利を大幅に上回る利子を受け取っていたとして、北海道拠点の「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」とみられる飲食店や建設業、警備業などの運営会社「M’s(エムズ)」グループ会長・武藤健太郎容疑者(41)=札幌市中央区南9条西=と、社員・植村裕太容疑者(28)=札幌市中央区=の男2人を貸金業法違反と出資法違反の疑いで逮捕した。
北海道札幌方面中央警察署
2人は2023年10月から今年5月にかけて、札幌市内の3人に対して、国などの許可を得ずに無許可で総額およそ1730万円を貸し付け、法定利息を大幅に超える700万円以上の利息を受け取った疑いが持たれている。貸し付けた3人のうち1人には、日利0.3%を超える超高金利が設定されていた。
同署は、武藤容疑者らが2018年ごろから違法な貸付を繰り返し、これまでに少なくとも数十人に対して1億円以上を貸し付け、法定利息を大幅に超える利息を受け取っていたとみている。
「M’s」グループをめぐっては、関係者が保険金詐欺や特定商取引法違反などで逮捕されていて、今回の事件も押収された証拠品を捜査する中で、新たに浮上し警察が裏づけ捜査を進めていた。
同署は2人の認否や、債務者3人との関係性を明らかにしていないが、「M’s」グループを中心とした「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による犯行の一端とみて、組織的な金の流れや余罪など、事件の全容解明を進めている。