沖縄県警サイバー犯罪対策課など9県警合同捜査本部は11日までに、大手銀行のインターネットバンキングから不正に送金された金が沖縄県内のATMから引き出された事件で、指定暴力団・住吉会の元組員で会社役員・宮本勝美容疑者(49)=東京都府中市=が事件を首謀した疑いが強まったとして不正アクセス禁止法違反などの疑いで逮捕。
また事件を指南したとして、指定暴力団・旭琉會・「二代目沖島一家」幹部・山城偉樹容疑者(53)=沖縄県=と、彫り師・片石肇容疑者(41)=東京都=らあわせて3人を不正アクセス禁止法違反、電子計算機使用詐欺、窃盗の容疑で逮捕した。
旭琉會本部を家宅捜索
沖縄県内では2年ほど前からメガバンクのインターネットバンキングから不正に送金された金がATMから引き出されているのが確認されていて、県警はこれまでに「指示役」や現金を引き出す「出し子」、口座を提供する者などの役割を担った容疑者20人以上を摘発していた。
被害者のスマートフォンなどに在京メガバンクを装ったショートメッセージサービス(SMS)を送り、銀行口座番号やパスワードを盗み取る「スミッシング」と呼ばれる手法が犯行に用いられた。この事件での被害は17都道府県にまたがり、およそ130人、被害総額は約9300万以上にのぼるとみられる。
県警は11日、旭琉會本部事務所と那覇市内の旭琉會系事務所を家宅捜索するなどして、事件の全容解明に向けて捜査を続けている。