沖縄県警は21日、暴力団関係者の利用を拒否している沖縄県北谷町のホテルに知人の名前を使って暴力団関係者を宿泊させたとして、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されていた指定暴力団・旭琉會会長・糸数真容疑者(70)=沖縄県沖縄市諸見里=、知人の北谷町漁業協同組合の組合長(67)=北谷町桑江=と、その妻(52)の3人を那覇地方検察庁に送検した。県警は「捜査に支障がある」として3人の認否を明らかにしていない。
那覇地方検察庁
糸数容疑者ら3人は共謀して2023年3月、宿泊約款で暴力団員の利用を拒否している北谷町のホテルに、組合長夫妻がホームページから虚偽の内容で宿泊予約を申し込み、同年4月に県外の複数の暴力団関係者を2泊3日で宿泊させた疑いが持たれている。糸数容疑者と組合長夫妻は知人関係で、糸数容疑者の依頼で虚偽の宿泊予約をしたとみられている。
北谷漁協が加盟する沖縄県漁業協同組合連合会は、暴力団などの反社会的勢力との一切の関係を排除し、不当要求を拒絶すると内規で定めていて、北谷漁協は組合長の逮捕を受け、「非常に遺憾。組織として重く受け止めている」と謝罪し、内部監査体制の強化に努めるとし、21日に開かれた理事会で6月1日に開催予定だった北谷漁協の主催イベント「第17回北谷ニライハーリー」の中止を正式に決定した。
また、沖縄県漁業協同組合連合会は事実関係が確認でき次第、関係法令に基づき厳正に対処するとしている。
【追記】
那覇地裁は同月22日、旭琉會会長ら3人の勾留請求を却下した。那覇地検は3人の処分について「捜査中」とし、今後は在宅で捜査を進め、起訴するかどうかを判断する。