宮城県警は7日、オンラインゲームで知り合った宮城県の高校生が誘拐されていることを知りながら、タイの空港からミャンマーの犯罪拠点に移送したとして、タイ当局に拘束され、その後、大阪府警に知人男性に対する逮捕監禁容疑で逮捕されていた無職・藤沼登夢容疑者(29)=住所不定=を宮城県に移送し、被略取者等所在国外移送の容疑で逮捕した。
仙台空港に到着した藤沼登夢容疑者(5月7日昼過ぎ)
藤沼容疑者は今年1月10日、宮城県の高校生が誘拐されていることを知りながらタイの空港からミャンマーの犯罪拠点に移送した疑いが持たれている。
大阪府警は、知人に対する監禁・誘拐事件で藤沼容疑者の逮捕状を取り、タイ当局が今年2月に拘束、その後強制送還されて大阪府警に逮捕されていたが、7日午後に宮城県警が身柄を移送した。
このミャンマーの詐欺拠点で高校生は、「組織のことを話したら報復する」などと口止めされて詐欺を強要され、「警察官を装って高齢者を標的に電話した」などと話している。
このミャンマーの詐欺拠点は、日本を拠点とする準暴力団・「チャイニーズドラゴン(怒羅権)」の関連グループが仕切っているとみられていて、藤沼容疑者はこの詐欺拠点を運営・管理する組織の幹部とみられ、SNSで「高額収入短期」などと謳って電話をかける「かけ子」役や、通訳などを募集する殊詐欺のリクルーターとして、中国人らとも協力していたとみられている。