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東京地裁で25日、東京都足立区の西新井大師近くの駐車場で、ベビーカステラを販売していた男性のキッチンカーに消火器を噴射したとして威力業務妨害の罪に問われた、指定暴力団・極東会系松山連合会傘下「服部一家」幹部・阿部穣司被告(42)の初公判が開かれ、阿部被告は「私がやったことに間違いありません」と起訴内容を認めた。

東京地方裁判所
被告人質問で、弁護人から犯行動機を問われた阿部被告は、「注意したのに営業していたので自分の気持ちが収まらなかった」と説明し、被害弁償について「おカネで解決じゃないですけど、そこはしっかりやりたいです」と話し、「本当に申し訳なかったと思います。反省しています」と謝罪した上で、「いろいろ考えることもあり、脱会の手続きをしています」と述べた。
裁判長から、消火器を噴射した理由を問われた阿部被告は、「ヤクザはこうだろうという固定観念があった」と話し、「ヤクザの流儀」に固執したことを反省し、更生を誓った。
阿部被告は足立区にある西新井大師近くの駐車場で、キッチンカーでベビーカステラを販売していた男性(当時49)に対し、「誰の許可で店を出してるの」「俺たちは西新井でベビーカステラは1店舗しか認めてない」「明日もここで商売したら店をぶち壊す」などと脅迫したとして、服部一家総長らとともに暴力行為等処罰法違反(集団的脅迫)の容疑で逮捕=暴力行為等処罰法違反については不起訴=されていた。逮捕時、阿部被告は「注意しただけ」など容疑を否認していた。
阿部被告は、翌3日も同じ場所で営業していた男性に対し、消火器を顔に噴射した上、キッチンカーの中に消火器を投げ入れ、消火剤が散乱した車内は清掃のため営業不能にしたとされる。男性は目などに痛みを訴え呼吸困難になり、キッチンカーの清掃とメンテナスには46万円を要する被害を受けていた。