ネットバンキング不正アクセスで3千万円以上詐取 犯行主導の中国籍の男に懲役7年の判決

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　那覇地裁（大嶋真理子裁判官）で２５日、大手金融機関のサーバーコンピューターに侵入し、組織的に他人名義の口座から３千万円以上を盗み取る犯行を主導したとして、電子計算機使用詐欺や窃盗の罪に問われた被告の会社経営者の男（４０）＝中国籍・福建省＝の判決公判が開かれ、大嶋裁判官は被告に懲役７年（求刑・懲役１２年）を言い渡した。

那覇地方裁判所

　これまでの裁判で被告は無罪を主張していたが、共犯者とのメッセージ履歴などから「意思を通じ合った上で（組織的に）重要な役割を果たした」として、被告の主張を退けた。

　被告は中国人グループや沖縄県内外の指定暴力団関係者らと共謀して２０１９年９月～１０月、大手金融機関のネットバンキングに不正アクセスして、他人名義の口座から別口座に約３７００万円を不正送金し、沖縄県内のＡＴＭから約３４００万円を引き出したとされ、日本人グループとの連絡役として主導的な立場にあったとされる。

　不正に得た現金は、中国人グループが５５％、日本人グループが４５％の割合で山分けする取り決めがあったといい、被告の報酬は「少ない時で１日数万円、多い時には数日間で数十万円から百数十万円」だったとした。

　この一連の事件を巡っては、インターネットバンキング利用者１００人以上の口座から５千万円余りが不正に引き出され、沖縄県警を中心に９県警の合同捜査で３１人が摘発されていて、SNSなどから本物そっくりに作られた金融機関の偽サイトに誘導し、口座情報を盗み取る「スミッシング」と呼ばれる手口が使われていた。