「餃子の王将」社長射殺事件 田中幸雄被告が初公判で起訴内容を否認し無罪主張

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　京都地裁（西川篤志裁判長）で２６日、２０１３年１２月に「餃子の王将」を全国展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん（当時７２）を拳銃で撃って殺害したとして、殺人罪と銃刀法違反に問われている特定危険指定暴力団・工藤會系「石田組」幹部・田中幸雄被告（５９）の初公判が開かれ、田中被告側は起訴内容を否認し無罪を主張した。

京都地方裁判所

　田中被告は何者かと共謀して２０１３年１２月１９日午前５時４５分ごろ、京都市山科区の「王将フードサービス」本社前の駐車場で、大東さんの腹部や胸を拳銃で撃って殺害したとされる。

　田中被告は２０２２年１０月に京都府警に逮捕されて以降、黙秘を貫いていて、犯行の動機や事件の背景などは明らかになっていないが、この事件の捜査では、現場付近でたばこの吸い殻が見つかり、田中被告のDNA型が検出された。現場周辺の防犯カメラ画像には田中被告に似た人物が映っており、田中被告が逃走用に使ったとみられるバイクからは硝煙反応が確認されていた。

　初公判で田中被告は、「私は決して犯人ではありません。任侠の志として濡れ衣の一つや二つ、甘んじて受け入れます。だからと言ってセンセーショナルな事件まで到底承服できない。私自身は決して犯人ではありません」と語り、無罪を主張。弁護側も「犯人ではありません、無罪です」と主張した。

　田中被告は工藤會の「ヒットマン」とされ、検察側は状況証拠を積み重ねて、田中被告以外に犯人がいないとして有罪立証を目指すとみられる。一方、弁護側は状況証拠を一つ一つ切り崩していく方針で、検察側と激しく対立する展開も予想される。

　殺人事件は裁判員裁判の対象だが、京都地裁は２０２４年９月に裁判員裁判から除外する決定を出していて、この裁判は裁判官だけで審理される。

　初公判では、検察側の席から遺族とみられる女性の声が上がり、裁判長が「静粛に」と注意するもとどまらず、傍聴席からも叫び声があがったため、裁判が始まって早々に田中被告は一度退廷し、裁判は約１０分ほど休廷する場面もあった。

　公判は今回を含め計１２回開かれ延べ約４０人の証人尋問が行われる見通しで、２０２６年６月２９日に結審、同年１０月１６日に判決が言い渡される予定。