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神戸地裁で24日、特定抗争指定暴力団・神戸山口組傘下組長の金銭トラブルから、暴力団対策法に基づく「代表者責任」があるとして賠償責任命令を受け、土地と建物が差し押さえられていた兵庫県神戸市北区鈴蘭台にある神戸山口組の井上邦雄組長の自宅について、強制競売の入札を公告した。売却基準価格は5199万円で、3月24日に開札される予定。

神戸地方裁判所
強制競売は、井上組長らに損害賠償を求めた東京のコンサルティング会社側が申し立て、神戸地裁が2025年1月に手続きを開始していた。
この事件は、新規事業のために10億円の資金調達を急いでいた東京の経営コンサルティング会社の男性役員が、2020年7月に金融ブローカーから「京都に最強の資産家がいる」として、当時・神戸山口組系「二代目宅見組」傘下の組長を紹介され、金融ブローカーが抱える借金2億5千万円を肩代わりすれば10億円を融資すると説明され、指定された口座に2億5千万円を送金。その後、元組長から「特定の人物による保証が必要」と言われて融資は受けられず、暴力団組織の存在に言及して「何か文句があるのか」と返金を拒否したとされる。
京都府警は詐欺容疑などで組長らを逮捕したが、いずれも不起訴処分となっていて、男性役員は神戸山口組トップの井上組長や、当時の神戸山口組副組長だった宅見組の入江禎組長と傘下組長らに対し、暴力団対策法に基づく「代表者責任」があるとして損害賠償を求め提訴。大阪高裁が一審判決を支持し、約2億7千万円の損害賠償を関係者3人と連帯して支払うよう命じていた。
また、井上組長の自宅を巡っては、神戸山口組から離脱後に特定抗争指定暴力団・六代目山口組に復帰した、「五代目山健組」の中田浩司組長が、井上組長の自宅について「所有権は山健組にある」と主張し、両者の間で別の裁判になっていたが、自宅の所有権は井上組長にあると認定された。
地裁は、井上組長の賠償責任命令と自宅の所有権が確定したのを受け、中断していた競売の手続きを再開し、入札公告に至った。