福岡県警小倉北署は28日、裁判所で僧侶になったと虚偽の申請で改名した上、住宅ローン「フラット35」の融資金をだまし取ったとして、会社役員・石井隆道容疑者(58)=福岡県北九州市小倉北区大手町=と、別事件で鹿児島刑務所に収監中の無職・江頭将仁こと江頭将光容疑者(35)=鹿児島県湧水町=、飲食関連会社役員・関根智容疑者(49)=小倉北区大畠2丁目=ら男5人を詐欺の疑いで逮捕した。特定危険指定暴力団・工藤會を捜査する過程で発覚した。

福岡県小倉北警察署
5人は共謀の上、石井容疑者の指示で本来融資を受けられない江頭容疑者が僧侶になったと裁判所に改名の虚偽申請をした上、改名した新たな名前で関根容疑者の会社に勤務しているように装って健康保険証や源泉徴収票を用意し、2022年12月20日頃にそれらを使って東京都の金融機関に住宅ローン「フラット35」の融資を申し込み、2023年に金融機関から振り込まれた融資金およそ4460万円をだまし取った疑いが持たれている。福岡県内に住宅を建てる際の費用の見積書を水増しした融資金との差額1300万円も詐取した疑いが持たれていて、ローンは数回返済されただけで支払いが滞っていた。
同署は、5人の認否を明らかにしていないが、石井容疑者が同様の手口で住宅ローン詐欺を繰り返し、これまでに少なくとも20件、総額5億7000万円をだまし取ったとみている。
県警が工藤會を捜査する過程で5人の関与が浮上したことから、だまし取った金が工藤會の資金源になった疑いがあるとみて調べている。