埼玉県警組織犯罪対策1課と本庄署の合同捜査班は26日、特殊詐欺に関与した男ら4人が逮捕された事件で、新たに犯行グループの指示役とみられる職業不詳の男(48)を窃盗の疑いでを逮捕した。調べに対し、男は「今は何も言いたくありません」と供述している。

埼玉県警察本部
男は仲間と共謀して2021年10月11~12日までの間、金融機関職員らを名乗って大阪府茨木市の無職女性(当時86)の自宅に電話をかけ、「健康保険証情報が漏れ、何者かが口座からお金を抜き取っているかもしれない」などとウソを言い、キャッシュカード3枚をだまし取った上、同市内の2か所のコンビニエンスストアのATMで12回にわたり、現金合計200万円を引き出して盗んだ疑いが持たれている。
男は2020年1月26日に出国し、今月26日に中国国内発の航空便で日本に帰国後、羽田空港で逮捕された。男は国外を拠点として秘匿性の高いアプリで現金の回収や受け渡しを指示していたとみられ、過去に十数回、中国に出入国していた。
県警は、これまでに「受け子」役の男ら4人=いずれも実刑判決=を逮捕していて、その後の捜査から男の関与が浮上した。同課は、この詐欺グループの背後に複数の暴力団が関与しているとみていて、被害金の流れなどを詳しく調べている。