警視庁は1日までに、高齢男性にウソの電話をかけ、現金をだましとったとして、特殊詐欺グループの「受け子」リクルーター役の指定暴力団・住吉会系十三代目幸平一家傘下「義勇会」組員・別府将光容疑者(24)=住居不定=を詐欺の疑いで逮捕した。
別府将光容疑者(24)
別府容疑者は仲間と共謀して2021年10月2日、親族などを装って東京都世田谷区在住の男性(当時70代)に電話をかけ、「カバンをなくしてしまい、キャッシュカードも止めた。仕事で金が必要になったので用意できないか」などとウソを言って現金200万円をだまし取った疑いが持たれている。
別府容疑者は2023年に別の特殊詐欺事件に関わったとして警視庁に詐欺容疑で逮捕され、実刑判決を受けていて、警視庁は別府容疑者が特殊詐欺グループの「受け子」のリクルーター役で、少なくともこの事件の他に2件の特殊詐欺に関与し、地元の後輩などを脅して受け子をやらせたり、知的障害がある少年などに現金の受け取り役をやらせたとみている。
この特殊詐欺グループは、兵庫県神戸市を拠点にしていた「かけ子」のメンバーらがすでに逮捕されていて、被害は2021年からの約1年間で19件、総額1億5000万円に上る。
警視庁は、別府容疑者が複数の特殊詐欺グループから受け子の勧誘を請け負うリクルーター役だったとみて、余罪や共犯者など引き続き捜査を進めている。