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沖縄県警は24日午前5時過ぎ、沖縄県内の大規模ヤミ金グループが摘発された事件で、ベトナム当局が身柄を拘束していた指示役の1人とみられる職業不詳・名嘉義鷹容疑者(37)=住所不詳=と、メンバーの職業不詳・仲西智大容疑者(30)=住所不詳=の2人を、ベトナムから羽田空港へ移送中の機内で出資法違反の疑いで逮捕した。
押収品
2人はすでに逮捕されているメンバーらと共謀して2021年末から2023年8月までの間、法定金利上限の6倍に相当する金利で沖縄県内の30代~60代の債務者4人に計11回にわたり、現金を貸し付けて違法な利息を得た疑いが持たれている。
指示役の1人とみられる男には2024年2月に逮捕状が出されていて、当初はカンボジアに潜伏しているとみられていたため、外務省は同年5月に旅券法に基づき、旅券返納命令を出していた。
このヤミ金グループはSNSなどを使って全国の客を誘客し、600人以上に計約4億円を貸しつけ、億単位の利益を得ていたとみられ、警察庁が「匿名・流動型犯罪グループ」と判断していた。これまでにメンバー9人が逮捕・起訴されていて、いずれも那覇地裁で有罪判決が下されている。
このヤミ金グループの取り立ては悪質で、SNSで客を募り、返済が滞った場合は職場などに電話をかけ続ける行為を繰り返し、返済できない債務者には、ヤミ金の送金や現金の回収役を強要したり、闇バイトを持ちかけたりするケースもあり、女性の債務者は「売春して返せ」と迫られ、売春行為を強要させられたとして警察に相談したケースもあった。
県警は「捜査に支障がある」として2人の認否を明らかにしていないが、引き続き、他の指示役の行方を追うとともに、グループの全容解明を進めている。