愛知県警捜査4課は2日、貸金業法違反事件で特定抗争指定暴力団・六代目山口組系三代目弘道会傘下、三代目高山組本部事務所を家宅捜索している最中に、捜査に必要なデータが入ったメモリーカードを壊して証拠を隠滅したとして、高山組幹部で「草川組」組長・草川洋明容疑者(44)=名古屋市南区要町5=を証拠隠滅の疑いで再逮捕した。草川容疑者はすでにウソの株主総会議事録を提出したとして逮捕されていた。
草川洋明容疑者(44)
この家宅捜索は、2019年10月9日に貸金業法違反などの容疑で高山組幹部を逮捕されたことを受けて行われたもので、同月11日午前11時10分ごろから捜査員約30人態勢で高山組本部事務所の家宅捜索を開始。
家宅捜索を開始から約15分後、高山組所有の国産高級車のトランクからリュックサックが見つかり、中からノートパソコンやUSBメモリー、SDカードなどを収めたポーチ2個などを発見して押収しようとしたところ、草川容疑者が捜査員の隙を見て横取りし、両手で握りつぶして中に入っていたフラッシュメモリー1枚を破壊したとされる。
ポーチ内の記録媒体からは、同貸金業法違反事件や、高山組若頭の「三代目矢嶋総業」組長・石原道明容疑者(55)が逮捕・起訴された「用心棒代」の収受事件の証拠データが確認された。
県警は、以前から高山組関係者が逮捕されるたび、組員らが組事務所からカバンを抱えて持ち出す様子が確認されていた。
記録媒体は全て厳重に管理されていて、パスワードの入力を一定回数ミスすると、データが初期化されるように設定されていたという。
調べに対して草川容疑者は「黙秘します」と認否を留保している。