警視庁暴力団対策課は25日までに、一人暮らしの高齢者を狙って「終活支援」をうたい、実勢価値より7倍以上高く価格設定したワンルームマンションの売買契約を結んで代金をだまし取ったとして、東京都新宿区の不動産会社「寿不動産」代表取締役で指定暴力団・住吉会傘下幹部・石井寛一容疑者(42)=住居不定=と、会社役員・臼居崇容疑者(43)=東京都豊島区高田2=ら男9人を詐欺容疑で逮捕した。

石井寛一容疑者(42)
石井容疑者ら9人は共謀して2023年5月~8月、300万円で仕入れた埼玉県川越市の物件を東京都内の女性(70代)に2200万円の価値があるなどと伝えて売買契約を結び、また、計560万円で仕入れた神奈川県横須賀市と相模原市の2物件を埼玉県内の男性(80代)に計4000万円の価値があるなどと伝えて売買契約を結び、計約6200万円をだまし取った疑いが持たれている。
取引に使われた石井容疑者が代表を務める寿不動産は、登記上の所在地や連絡先などが確認できない実体のない会社で、臼居容疑者は詐欺グループの実質トップとみられていて、数万人分の高齢者が記載された名簿を使って主に一人暮らしの高齢者宅を狙い、認知症を患って判断能力が衰え、ほとんど言われるがままに契約を結んだケースもあったという。
このグループは、顔見知りを装って高齢者宅を訪問し「終活を支援する」などと言って関係を深めて資産状況を把握した上で、販売するワンルームマンションの価格を設定し、「不動産投資をすれば安定した家賃収入が入り、銀行に預けるよりも格段に収益が得られる」、「不動産を購入して相続すれば節税になる」などと言って不動産購入を勧め、ワンルームマンションの売買契約を結んでいた。
警視庁は、このグループが2022年6月~2023年10月に、1都3県の高齢者(70代~90代)39人と52件のワンルームマンションの売買契約を結び、計約7億4500万円を売り上げたとみていて、そのうち約9割が一人暮らしで、取引があった被害者のうち既に8人が亡くなっている。
警視庁はいずれの認否も明らかにしていないが、容疑者の一部は、別の認知症の高齢者にもマンションをだまして売ったとして、すでに準詐欺容疑で逮捕されていた。