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警視庁暴力団対策課は21日までに、女性を性風俗店へ斡旋する国内最大規模といわれる違法スカウトグループ「ナチュラル」が、「みかじめ料」名目で暴力団員に現金を支払っていたとして、ナチュラル幹部・朝倉こと佐藤雄己容疑者(32)=住所不定=と、メンバーの斎藤佑之介容疑者(29)=東京都新宿区西新宿7=、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「落合金町連合」幹部で「忽滑谷興業」組長・忽滑谷翔一容疑者(39)=渋谷区元代々木町=の3人を東京都暴力団排除条例違反の疑いで逮捕した。
忽滑谷翔一容疑者(39)
佐藤容疑者と斎藤容疑者は2023年7月24日に渋谷区富ケ谷1の飲食店内で、都の条例で「暴力団排除特別強化地域」と指定されている東京都渋谷区宇田川町の路上やその周辺でのスカウト活動を容認することへのみかじめ料名目で、忽滑谷容疑者に月額の現金60万円を授受した疑いが持たれている。みかじめ料は毎月定期的に授受していたとみられているが、調べに対し3人は黙秘している。
ナチュラルは2009年ごろから東京都新宿区歌舞伎町を中心に活動を始め、全国の繁華街などで女性に声をかけ、性風俗店などの仕事を紹介する違法スカウトグループで、全国で1500人以上のメンバーが在籍し、女性を斡旋した各地の性風俗店から報酬の「スカウトバック」を受け取り、売り上げは年間約45億円に上るとみられている。
メンバーはお互いを「源氏名」で呼び合うことなどから、「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」とみられていて、2020年6月には歌舞伎町でのスカウト活動を巡り、指定暴力団・住吉会系「幸平一家十三代目」傘下「加藤連合会」組員らと乱闘事件を起こし、双方から逮捕者を出している。
警視庁は、ナチュラルがその後、各地の暴力団と協力関係を築き、活動で得た報酬の一部を「みかじめ料」名目で支払ってスカウト活動を円滑に進めたとみている。