警視庁国際犯罪対策課は29日までに、男性を車に監禁して金を脅し取ろうとしたとして、かつて広島県を拠点に兵庫県、東京都などで活動していた覚醒剤密売組織「インターナショナルシークレットサービス(ISS)」の元メンバーで土木建築会社代表・染谷修光容疑者(60)=東京都港区六本木4=ら、元メンバー数人を含む東京都内や埼玉県在住の20代~60代の男女7人を逮捕監禁と恐喝未遂の疑いで逮捕した。同課はほかに、犯行現場にいた日本人の男2人についても逮捕状を取り、詳しい経緯を調べている。
警視庁本部
7人は共謀して2024年9月3日午前4時ごろ、東京都港区の路上で男性(30代)=トルコ国籍=を車に無理やり押し込んで監禁。午前11時ごろに解放するまでの間、「500万ドル払ってくれないと解放しない」などと言って金銭を脅し取ろうとした疑いが持たれている。被害者の男性との間で、海外での投資話を巡りトラブルを抱えていた別の男=米国籍=からの依頼とみられている。
「インターナショナルシークレットサービス(ISS)」は、かつて指定暴力団・共政会傘下の元組員が中心に立ち上げたとされ、2000年3月の神戸市内のテレホンクラブ「リンリンハウス」の系列2店に火炎瓶が投げ込まれ8人が死傷した事件や、2004年に広島東警察署や広島市内の不動産会社に銃弾が撃ち込まれた事件などに関与したとしてISS幹部らが実刑判決を受け、組織は解散届が出され消滅したとみられていた。
警視庁は7人の認否を明らかにしていないが、現在もISSの元メンバーがつながりを保ち、関東などで様々な違法行為を請け負う犯罪組織として活動していたとみて、組織の実態解明を進めている。