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宮崎地裁(設樂大輔裁判長)は5日、2024年9月に宮崎県宮崎市の暴力団事務所で幹部が射殺された事件で、殺人や銃刀法違反の罪に問われている特定抗争指定暴力団・六代目山口組系四代目弘道会傘下「十代目稲葉地一家」組員・吉井誠被告(64)=愛知県名古屋市=の裁判員裁判の判決公判が開かれ、設樂裁判長は「反社会的な動機に基づき到底容認できない。周辺住民に大きな不安を与える」として、吉井被告に懲役28年(求刑・懲役30年)の判決を言い渡した。

宮崎地方裁判所
吉井被告は2024年9月9日、当時、宮崎市田代町にあった特定抗争指定暴力団・池田組系「志龍会(解散)」に宅配業者を装って訪れ、1人でいた志龍会幹事長で「四代目城士会」の上津曲哲也会長(当時52)に向けて拳銃2丁を発砲し、2発を命中させて殺害したとされる。
判決で設樂裁判長は「配達員に成り済まし、計画的犯行だ」と指摘。「作業着などを着たり、段ボールを持ったりして配達員になりすまし、至近距離から上半身に向けて発砲した行為は極めて危険で、強い殺意が認められる」とし、所属組織の指示や支援があったかどうかは不明としつつ「暴力団抗争を背景とした動機」と認定。弁護側の銃刀法違反の発射罪については要件を満たさないとの主張も退けた。