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工藤會幹部ら15人を逮捕 決め手は「通信傍受」

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 特別捜査本部が置かれている福岡県警小倉北署で1日、樋口真人・県警本部長が記者会見で憤りを込めた。  「工藤會トップの個人的感情から暴力団と関係のない無防備な女性が狙われた。卑劣な組織実態をあらわにする象徴的事件だ」「女性は一命は取り留めたが重い障害を負った。悪質極まりない」と指弾した。

福岡県警察本部

福岡県警察本部

 工藤會トップの総裁・野村悟容疑者は、通院していた北九州市小倉北区のクリニックに勤めている看護師の女性とトラブルになり、組員らに指示して殺害しようとした疑いが持たれている。樋口本部長は「今回の一斉逮捕で工藤會の組織基盤に大きな打撃を与えたと考えるが、壊滅に向け全国警察が総力を挙げて取り組む」と決意を込めた。

 その上で、9月に野村容疑者を殺人容疑で逮捕した際と同様に、組離脱などを呼び掛けるメッセージを送った。
「組織にいつまでもすがり、幹部に翻弄(ほんろう)され人生を棒に振ることはありません。県警、暴追センターに相談してほしいと思います。待っています」

 一般女性を狙った事件に市民からは驚きの声が上がった。女性が切りつけられた福岡市博多区石城町の現場近くで働く60代の男性は「住民は安心すると思うが、暴力団による事件だったとは思わなかった」と話した。

 北九州市内の会社で働く50代の男性は「一般人が狙われた事件の全容解明ができれば、市民の安心にもつながる」とホッとした表情を見せた。一方、60代の女性は「(工藤會側の報復など)どんな2次被害があるか分からないので、警察は逮捕だけで安心しないでほしい」と訴えた。

■通信傍受法
 増え続ける組織犯罪に対抗するため、他の捜査方法では容疑者の特定ができない場合などに限定して裁判所の令状に基づき適用される。傍受中に他の犯罪に関する内容の通信があれば、続けて傍受することもできる。傍受後、対象者には日時や容疑を通知する義務があるが、捜査に支障があれば延期できる。今年の法制審議会特別部会で、組織性が疑われる詐欺や窃盗、強盗などに対象が拡大される見通しとなったが、プライバシー保護のため適正運用の重要性も指摘された。

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