埼玉県警組織犯罪対策3課と浦和東署は28日、愛知県名古屋市の女性から「医療費還付金」名目で現金約96万円をだまし取ったなどとして、特殊詐欺グループの「リクルーター役」とみられる、指定暴力団・住吉会系十三代目幸平一家傘下「義勇会」組員・工藤一眞容疑者(28)=東京都新宿区西落合1丁目=を電子計算機使用詐欺、窃盗、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕した。

埼玉県警察本部
工藤容疑者は仲間と共謀して2025年4月、区役所職員などを装って名古屋市天白区在住の女性(62)に電話をかけ、「払い過ぎた医療費が4万円くらい戻ってきます」「還付金を受け取るには番号を発行する必要があります」などとウソを言い、数回にわたり現金計96万5412円を振り込ませた上、同日、埼玉県戸田市内で現金50万円を引き出し、そのうち46万4312円を容疑者らが管理する口座に送金したなどの疑いが持たれている。
工藤容疑者は特殊詐欺グループのリクルーター役で、「出し子」のメンバーからは「ボス」と呼ばれていて、東京都江戸川区で風俗店オーナーとして働く傍ら、従業員の男を特殊詐欺の「出し子」として勧誘していた。
同課が2025年6月に工藤容疑者の店の従業員で「出し子」役の男(26)を逮捕し、その後の捜査から工藤容疑者が男を特殊詐欺に勧誘していたことが判明した。「出し子」役の男は別の還付金詐欺事件にも関わったとして複数回逮捕されていてる。
調べに対し、工藤容疑者は「何も言うことはない」などと供述しているが、県警は、工藤容疑者らの特殊詐欺グループによる被害総額は1000万円以上に上るとみていて、被害金が暴力団などの反社組織に流れていた可能性を視野に、余罪や指示役、他の共犯者など、グループの実態解明を進めている。